「DMRかんたんガイド」は、次のような方々に向けて書いています。
- これからDMRを始めようと考える方
- DMRに興味はあるが、どのようなものかよくわかっていないと感じる方
- DMRを始めてみて、改めて仕組みや使い方を一通り理解したい方
1. DMRとは何か
DMR (Digital Mobile Radio: デジタル移動無線) とは、ETSI (European Telecommunications Standards Institute: 欧州電気通信標準化機構) が技術仕様『ETSI TS 102 361』として策定したデジタル無線通信の国際規格のことです。
DMR最大の特徴は、1つの電波を2つの時間枠に交互に振り分けて、同時に2つの独立した通信ができる効率性にあります。具体的には、12.5kHzの周波数帯をTDMA (Time Division Multiple Access: 時分割多元接続) 技術を用いて2つのタイムスロットに分け、周波数の運用効率を2倍にしています。これは、あたかも6.25kHz帯域幅で2チャンネル運用しているのと同等の効果があります。
また、DMRは特定国独自基準ではないため、規格としての安定性・信頼性があり、異なるメーカーの機器同士でも使用できる互換性の高さも特徴です。これはDMRがもともと警察や消防、民間企業が使う業務無線として策定されたものである以上、供給の持続性に関する安定性があることは非常に重要な特徴です。また設備の簡素化が可能なためコストパフォーマンスの高さも相まって、実際に多くの国と地域の行政機関で使用されています。
そのほか、DMRは他のデジタル通信規格であるD-STARやC4FMと同様にFEC (Forward Error Correction: 前方誤り訂正) 機能があり、電波のノイズなどでデータが破損しても自動で修復されるため雑音が少なく、音声がクリアです。
DMRアマチュア無線は、このようにETSIにより策定されたDMR業務無線機を、周波数帯や送信範囲を制限して、日本のアマチュア無線で使用できるように調整したものです。
| D-STAR (Digital Smart Technologies for Amateur Radio) |
C4FM (Continuous 4-level Frequency Modulation) |
DMR
(Digital Mobil Radio) |
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| 主な開発・策定元 | JARL (日本アマチュア無線連盟) / アイコム | 八重洲無線 | ETSI (欧州電気通信標準化機構) |
| 主な対応メーカー | アイコム / JVCケンウッド | 八重洲無線 | AnyTone / BelFoneなど |
| 通信方式 | FDMA方式 (6.25kHz) | FDMA方式 (12.5kHz) | TDMA方式 (12.5kHz)(2スロット) |
| 国内レピーターの数 | 圧倒的に多い | 多い | 増加中だが、まだ少ない |
| 変調方式 | GMSK | 4FSK | 4FSK |
| 日本における技適・免許申請 | ◎ 極めて容易 技適機種が多数 |
◎ 極めて容易 技適機種が多数 |
△ ややハードル高い BelFoneなど一部機種はJARD保証可能機器リストに含まれており、系統図なしで申請可能 |
2. DMRでできること
2-1. 国内外のDMRユーザーと交信
- 近所にDMRデジピーター (中継局) がある場合は、自宅のDMR対応無線機から電波を飛ばして、そのデジピーターにアクセスします。デジピーターから先はインターネット回線を経由して国内外のアマチュア無線家と交信できます。
- 近所にDMRデジピーターがない場合や電波が届かない場合は、自宅にホットスポットを用意します。ホットスポットから先はインターネット回線を経由して国内外のアマチュア無線家と交信できます。
2-2. 音声とデータの同時送信
DMRはTDMAで分割した2つのタイムスロットの両方または一方を音声に、他方をデータ通信に使用することができます。これによりテキストメッセージやGPSの位置情報などの共有が可能です。
例えば、2026年11月から公開された「DMR GPSマップ」では、TDMAによりGPS 位置を音声に重畳して送信している無線機の位置をリアルタイムで閲覧することができます。
3. DMRのはじめかた
3-1. 4アマ以上の有効な無線従事者免許を取得する
3-2. DMR IDの取得
RadioID.netという世界共通のサイトで申請します。自身のコールサインと、無線従事者免許状のコピーをアップロードします。
3-3. DMR無線機の購入
必要に応じてホットスポットも購入します。
3-4. PCでDMR無線機を設定する
DMR無線機は、PCを使って「どの周波数で、どのIDで、どのグループと話すか」を事前に書き込む必要があります。
3-5. JARDによる保証認定の申請
3-6. すべてが完了したら、DMRをはじめます
